books: 2008年11月アーカイブ
ラ○ュタは本当にあったんだ!
というわけで最初にアナウンスされてから8年目にしてようやく入手。早速ページをめくってみると、キャラデというだけでLDを買ってしまったアレとか、連載時のスクラップを後生大事に取ってあるのに新装版が出る度に買い直してしまうアレとか、デザイン画見たさにツテを頼って(以下略)したアレとかアレとか、読みもしないのに表紙目当てで買ってしまったあんな雑誌...って、あれ?載ってないぞ!?と思ったら、
【龍骨】未収録の作品をまとめた補完版(!)画集が発売決定:【龍骨:紅琥珀】【龍骨:碧瑠璃】
...足下しっかり見られてます。いいんです。慣れてますから。
きっかけと呼ぶにも些細なきっかけで手に取った本が、すごく面白くて、しかもあっという間に読み終わってしまい、おまけにその本が、魅力的な主人公たちに出会えた「嬉しさ」と、そんな世界に自分も登場人物の一人として生まれてこなかった「寂しさ」と、でも自分の周りだってそれなりに魅力的だよな...なんて、まるで昼間の暖かさと昨日までの冷気に加えて微かな甘い香りが入り混じった春の夜の大気のような読後感を残していくようなタイプの本だったりすると、本好きにとっては最高のご褒美な気がします。
というわけで、今年の夏頃に自分が観たか読んだ(そして面白かった)何かについて書かれた感想の一つに「加納朋子の『掌の中の小鳥』みたいだ」と書いてあるのを見つけて興味を覚え、すぐさまアマゾンに注文したものの、以来ずっと仕事場の机の上に忘れたままだったのを先日ようやく読んだんですが、ミステリーというよりは、誰かの為に用意した手品が一杯詰まったトランクみたいな洒脱でチャーミングなお話でした。手品なので、たとえ一度謎を解いてしまった後でも、次はその手さばきに注目しても面白いし、それとも、その手品を見せる相手のリアクションに注視してみるのも悪くないかな...と。
きっかけっていうのはね、つまらない偶然プラス、ちょっとした作為だってことさ。
それはさておき、その「『掌の中の小鳥』みたい」と書かれたものが何だったのか未だに思い出せません。
ああ...気になる気になる。
あっけなさすぎるファーストコンタクト、人間の生と死の境界線、宇宙ニート(笑)、不老不死への戸惑い...と盛りだくさんなSF短編集。
特に面白かったのは事故によって脳以外の機能を失った女性が外部とのコミュニケーション手段を得ることで生まれた新たな人生を描いた「Live me Me」。義体信号で脳としての機能を保っていたはずなのに実は...という部分は瀬名秀明とかシロマサ好きならニヤリとする人が多いんじゃないかな。あと最後の「アルワラの潮の音」は、「南海の海洋民族」とか「謎の巨大生物」とか「時間渡航者」なんて感じの大時代SFっぽさが、他の作品とは違った風味を楽しめて面白かったです。こちらは別作品のスピンオフらしいので本編を読むのが楽しみ。